ビットコインの価格は2017年12月に最高値をつけてから乱高下を続けており、ビットコインをはじめとした仮想通貨の価格はバブルであるのか議論を呼んでいます。

 

ビットコインの価格の急騰がバブルであるかどうかについては、投資家や有識者でも意見が大きく分かれており、ビットコインの値動きを正しく理解することが、今後の動向を予想するうえで重要になりそうです。

 

昨年、空前の投機ブームを迎えた仮想通貨の値上がりは、バブルのような一過性の現象だったのでしょうか?

 

この記事では、ビットコインの価格変動とバブルについて、複数の角度から詳しく解説していきます。

 

バブルとはそもそも何なのか、かつてのバブル経済と呼ばれた現象とはどう違うのかご説明します。

 

ビットコインとは

 

ビットコインとは、インターネット上で流通する仮想通貨で、発行元になる国家や中央銀行が存在せず、ブロックチェーン技術によって取引履歴が記録されます。

 

発行総量についても構造的な上限が決められており、通貨の新規発行には、マイニングという、コンピュータの計算による「労働力」を提供する必要があります。

 

このように、ビットコインへの信用は、ブロックチェーンによる取引履歴の管理と、利用者によるマイニングによって担保されています。

 

ビットコインを含む仮想通貨は、国際送金の手数料が安価である、世界共通通貨として使用できる、証拠金取引ができるなどの点から、決済機能としての優位性に注目が集まっています。

バブルってそもそもなに?

 

バブルというのは、不動産や株式などの時価資産価格が、投機によって経済成長以上のペースで高騰し、その商品が持っている論理的な価値を大幅に超えて取引が行われる状態のことを指します。

 

歴史的には、17世紀のチューリップ・バブルを皮切りに、数多くのバブルが発生・崩壊してきました。

 

21世紀では、サブプライムローン問題を生んだ住宅・不動産バブルや、原油・石油などの資源バブルが記憶に新しいかと思います。

 

チューリップ・バブル

 

チューリップ・バブルは、記録に残された最初の投機バブルです。

 

17世紀に、オランダ黄金時代のネーデルラント連邦共和国では、オスマン帝国からもたらされたばかりのチューリップの球根の価格が異常に高騰しました。

 

当時、アムステルダムの商人たちは、収益性の高いオランダ東インド会社の貿易を担っており、希少性の高いチューリップは誰もが欲しがる贅沢品だったのです。

 

ピーク時には、熟練した職人の年収の10倍以上の価格で売買されたチューリップでしたが、1637年に突如価格が急落すると、それ以降もとに戻ることはありませんでした。

 

当時、バブル崩壊後に価格が戻らなかったのは、チューリップという資産に本質的価値がなかったためです。

ドットコム・バブル

 

20世紀末に急速に普及したインターネット技術によって、e-コマースが実現すると、社会は大きく変容しました。

 

米国の低金利を追い風に、多くのベンチャー企業がIT関連事業に参入し、IT関連の株式投資は異常に高潮しました

 

ところが、FRBの利上げを契機に株価が急落すると、多くのIT関連ベンチャーは倒産に追い込まれ、GoogleやAmazon、eBayなど一部の有力なベンチャーだけが生き残りました。

 

ここで注目すべき点は、チューリップ・バブルとは異なり、バブル崩壊後も現在まで、株価が10倍近くを維持していることです。

 

これは、インターネットという資産自体に本質的な価値があったからこそ実現することです。

 

 

さて、これまでバブルの定義と実例について見てきましたが、ビットコインとバブルに関して、投資家や有識者たちの意見はどのように分かれているのでしょうか?

ビットコイン・バブル|肯定派の意見

 

アリババ集団 ジャック・マー

 

アリババ集団のジャック・マー会長は2018年6月、ビットコインをめぐる投機的な動きを批判し、仮想通貨への投資は避けると明言しました。

 

仮想通貨の基盤となるブロックチェーン技術について、「個人情報保護、安全性、持続可能性といった問題の解決に利用すべき」だとしたうえで、「技術自体はバブルではないが、ビットコインはその可能性が高い」と続けました。

 

中国政府の方針と同様に、ブロックチェーンは積極的に導入するが仮想通貨に関しては疑問視しているという立場のようです。

 

中国の仮想通貨への方針に関してはこちらをご参照ください。

 

 

一橋大学大学院特任教授 藤田勉

 

一橋大学大学院特任教授の藤田勉氏は、ビットコインがバブルの色彩を帯びていることは認めるものの、上昇相場は長持ちすると考えています。

 

主要取引所での先物取引や、投資商品の組成、通貨分岐による銘柄の多様化によって、今後は機関投資家の本格参入が予想されます

 

株式市場と同様に、機関投資家の存在は価格に対して非常に大きな影響を持ちます。

 

特に、通貨分岐は仮想通貨間の競争を促すため、送金などの利便性が向上し、結果的に仮想通貨全体が急速に進化しています。

 

藤田氏は、ビットコイン・バブルは、やがて関連企業の株式バブルへと転化し、大きな崩壊を迎えたのちに、厳しい淘汰を生き延びた仮想通貨や関連技術が世間に普及すると予想しています。

 

ノーベル経済学賞 ロバート・シラー

 

ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー氏は、ビットコインをはじめとする仮想通貨は人々の行動を一様に熱中させる要素をはらんだ、非常に魅力的な存在だと語りました。

 

シラー氏は、仮想通貨はバブルだとしつつ、「仮に今後バブルが弾けてなくなる瞬間が来ようとも、仮想通貨自体が消えて無くなってしまうわけではない」と、将来的に存続するという見方をしています。

 

ビットコイン投資家 キャメロン・ウィンクルボス

 

初期のビットコイン投資家であるキャメロン・ウィンクルボス氏は、ビットコイン・バブルの終わりは程遠いと見ています。

 

これまでに50%を超える下落は何度もありましたが、その度に持ち直してきた経緯もあり、今後ビットコインは広く認められて「デジタル世界の金」になると予想しています。

 

ビットコイン・バブル|懐疑派の意見

 

経済評論家 加谷珪一

 

経済評論家の加谷珪一氏によれば、ビットコインがバブルかどうかは、ビットコインが普及するかどうかで決まるため、現在の価格水準と直接に関係するとは言えないといいます。

 

例えば、ドットコム・バブルと呼ばれた2000年代前後、パソコン向け半導体で圧倒的シェアを持つインテルの株価は約100倍に高騰しましたが、その後インテルの株価はそれほど下落しませんでした。

 

これは、価格上昇時点においてバブル的であっても、その技術がインターネットのように本格的に普及すれば、その価値は正当化されるということを表しています。

 

認知科学から見たビットコイン

 

脳科学者の茂木健一郎氏によると、ビットコインの基盤となるブロックチェ―ンは、人間が言語や公共性に関して積み重ねてきた文化と似ているといいます。

 

ビットコインのマイニングでは、ブロックチェーンの安定性を支えるために、膨大な計算を実行し続け、その努力(Proof of Work)の対価としてビットコインを受け取ります。

 

これはまさに、ブロックチェーンという公共のシステムを維持するために努力している人に与えられる報酬だと考えられるのです。

 

認知科学的に見ても、人間社会の文化と整合するビットコインは、今後多少の波乱や乱高下があったとしても、長期的には定着していくと茂木氏は結論付けています。

 

ビットコイン・バブルの今後

 

いかがだったでしょうか。

 

投資家・有識者という立場によって現在の現象がバブルかどうか、様々な意見に分かれるようですが、仮想通貨・ブロックチェーン技術の浸透を予想する声は大きいように感じます。

 

現時点では、ビットコインのような無国籍通貨が、ドルや円に代わってメジャーな通貨になるとは考えにくく、国際的な少額決済手段や、有事の資産逃避手段としての利用にとどまると考えられます。

 

しかし、仮想通貨とその技術に大きな期待が寄せられているのは、既存の通貨制度の不具合が浮き彫りになっているということでもあります。

 

2013年のキプロス・ショックや、2017年のベネズエラ経済危機においても、ビットコインに資産を移すという現象がみられました。

 

2018年からは、OTC市場におけるホエールズ(大口投資家)の動きにも注目が集まっており、ビットコイン需要は過去に例のない状況にあります。

 

革新と競争を繰り返すビットコイン・バブルの中で、投資家たちには、価格動向に注目しつつ、冷静で的確な判断を下していくことが求められるでしょう。

 

 

 

 

 

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